お客様の状況を先読みする3つの視点
こんにちは、KUMATAN HOUSEの伊東祐希です。
クライアントの方から、発信についてご相談いただく中で、「今の時期は、どんなテーマを出せばよいでしょうか」「お客様や届けたい相手によっても、伝えることが変わるので、何を伝えたらよいか迷います」「毎回、新しいテーマを考えようとして、結局なかなか決められません」というお声をいただくことがあります。
もちろん、発信する材料がないわけではありませんよね。むしろ、専門家の方ほど、これまでのお客様との会話、講座や研修で何度もお伝えしてきたこと、過去に作った資料や提案書など、伝えられることはたくさんあると思います。ただ、様々なお客様や切り口に向けて伝えられることがあるからこそ、「今は、どのテーマを出せばよいのか」「誰に向けて、どの切り口で伝えればよいのか」「この内容は、今のお客様に本当に役立つのか」と迷ってしまう。
その結果、
発信テーマをなかなか決められない
という状況が起こりやすいのではないでしょうか。
特に、講座や研修、専門サービスをされている方の場合、現場では自然にお話しできることがたくさんありますよね。企業担当者の方から相談を受ければ、今どこを確認すればよいか分かる。受講者の方から質問を受ければ、どこでつまずいているのか見えてくる。研修や講座の中では、何度も説明してきた内容もある。
それなのに、いざ発信しようとすると、「今、このテーマでよいのだろうか」「また同じ話になってしまうのではないか」「この内容は、今さら出してもよいのだろうか」と手が止まってしまうことがあります。
ただ、結論からお伝えすると、専門家の方の発信テーマは、
自分の中だけを見て
決めるものではありません
なぜなら、お客様を取り巻く状況は、常に少しずつ変わっているからです。年度が変われば、必要な準備も変わります。新しい期が始まれば、組織の課題も変わります。社会の出来事や業界の流れによって、担当者の方が不安に思うことも変わります。
つまり、発信テーマは、自分の中だけを見て探すものではなく、お客様の状況や感情の変化を見ながら、今、何を届けると役に立つのかを選んでいくものです。
大切なのは
「今、お客様は何を求めているのか」「これから、どんな悩みが増えそうなのか」「この時期だからこそ、どんな不安が出てきそうなのか」を、専門家として先に見ることです。
お客様が必要としている時に、必要な情報や見解が手に入る。それは、お客様にとって、とても心強いことです。そして、そうした発信ができると、「この方は、自分の状況を分かってくれている」「今、必要なことを先に教えてくれる」「この方の発信は、自分に関係がある」と感じていただきやすくなります。
その積み重ねが、専門家としての信頼にもつながっていきます。本日は、発信テーマを決める時に見るべきものとして、お客様を取り巻く状況を先読みする3つの視点を、ご一緒に確認してまいります。
これから増えそうなお客様の悩みに先回りする
1つ目は、これから増えそうなお客様の悩みに先回りすることです。
発信テーマを考える時、つい、「自分は何を伝えられるだろう」「自分の経験の中で、何が使えるだろう」「過去の資料から、何を出せるだろう」と考えがちです。
もちろん、専門家としての経験や知識を整理することは、とても大切です。ただ、それだけでは、たくさんある材料の中から、今のお客様に必要なテーマを選びにくくなることがあります。お客様に届く発信にするためには、まず、「これからお客様は、何で困りそうか」「どんなことを不安に感じそうか」「何を知っておくと、安心して次に進めそうか」を見ていく必要があります。
たとえば、研修や講座をされている専門家の方であれば、年度の切り替わりや、新しい期の始まりは、とても大切なタイミングです。
新入社員研修。管理職研修。評価面談。チームビルディング。ハラスメント対策。コミュニケーション研修。人材育成や組織づくり。こうしたテーマは、実施直前に急に必要になるというより、その少し前から、企業担当者の方の中で検討が始まることがあります。
「次年度の研修テーマをどうしよう」「今の社員の課題に合った内容にしたい」「今年は管理職層の育成を見直した方がよいのではないか」「どの講師や研修会社にお願いすればよいだろう」このような検討が始まる前後で、専門家として発信できることはたくさんあります。
たとえば、「新入社員研修を依頼する前に確認しておきたいこと」「管理職研修を検討する時に、先に整理しておきたい社内課題」「評価面談の時期に、現場で起こりやすいすれ違い」「研修を一度きりで終わらせないために、担当者が準備しておきたいこと」こうした内容は、企業担当者の方にとって、大きな判断材料になります。
ここで大切なのは、自分の専門性を一方的に説明することではありません。
お客様がこれから迷いそうなことを先に見て、その時に必要な見方や準備を手渡すことです。お客様が困ってから届けるのではなく、困る前に、必要な見方や準備を手渡す。それが、専門家として信頼される発信につながっていきます。
時期や世の中の変化からお客様の感情を読む
2つ目は、時期や世の中の変化から、お客様の感情を読むことです。
お客様の悩みは、いつも同じではありません。同じ企業でも、時期が変われば、気になることが変わります。新年度前。年度末。人事異動の時期。新入社員が入る時期。評価や面談の時期。繁忙期の前後。組織変更があった後。社会全体で、AIや働き方の話題が増えている時期。
こうした変化の中で、お客様はまだはっきり言葉にしていなくても、心の中では何かを感じています。
「このままで大丈夫かな」「そろそろ準備した方がいいのかな」「前に研修を入れたけれど、今回はどうすればいいのかな」「今の社員に本当に必要なテーマは何だろう」「AIや時代の変化に合わせて、研修内容も見直した方がいいのかな」こうした、言葉になる前の不安を、専門家として先に見て差し上げる。
それができると、発信の受け取られ方が変わります。
お客様から見ると、「ちょうど気になっていたことだった」「そうそう、今それを知りたかった」「この方は、自分たちの状況を分かってくれている」と感じやすくなるからです。
お客様にとって信頼できる専門家とは、知識がたくさんある人というだけではありません。
必要なタイミングで、必要な情報や判断材料を手渡してくれる人です。これは、ただ不安を煽ることではありません。お客様が安心して判断できるように、早めに判断材料をお渡しする、ということです。専門家として信用される発信は、自分の言いたいことを上手に伝えるだけではありません。
お客様が今いる状況を読み、少し先に必要になる言葉を手渡すことです。
自分の経験・資料・判断基準をお客様の今に重ねる
3つ目は、自分の経験、資料、判断基準を、お客様の今に重ねることです。
ここで、専門家の方がこれまで積み重ねてきたものが大切になります。お客様との会話。よく聞かれる質問。何度も説明してきたこと。過去に作った研修資料。講座資料。提案書。現場で自然に使っている判断基準。大切にしてきた言葉。これらは、ただ並べるだけでは、発信テーマになりにくいことがあります。
でも、「今のお客様の不安に対して、この経験はどう役立つのか」「これから増えそうな悩みに対して、この資料はどう使えるのか」「この時期に迷いやすい方へ、どの判断基準を伝えると助けになるのか」という見方をすると、経験や資料が、未来のお客様への道案内に変わります。
たとえば、過去に何度も説明してきた内容があるなら、それは、同じところで迷う方が多いということです。
よく聞かれる質問があるなら、それは、未来のお客様も同じ不安を持つ可能性があります。過去に作った研修資料や講座資料があるなら、その資料をそのまま出すのではなく、今の時期や今のお客様の状況に合わせて、一部を切り出したり、説明し直したりすることもできます。
たとえば、以前作った管理職研修の資料があるとします。その資料をそのまま紹介するのではなく、「新任管理職が最初につまずきやすい3つの場面」「管理職研修を検討する前に、社内で確認しておきたいこと」「部下との面談がうまくいかない時に、先に見直したい視点」という形に変えることができます。
同じ資料でも、今のお客様の状況に重ねることで、発信としての意味が変わります。大切なのは、自分の中にある材料を、お客様の今の状況や、これからの不安に重ねて見ることです。そうすると、発信は、「自分の経験を伝える場」ではなくなります。
お客様が次の一歩を考えるための判断材料になります。
そして、その判断材料を専門家として先に手渡せるからこそ、お客様は、「この方は、今の自分たちに必要なことを分かってくれている」「この方の発信は、ただの情報ではなく、自分たちの状況に関係がある」と感じやすくなります。発信テーマは、自分の中だけを見て決めるものではありません。お客様の状況を見て、その状況に対して、自分の経験や専門性をどう役立てられるかを考える。
その視点があると、発信の一つひとつが、専門家としての信頼につながっていきます。
まとめ
本日は、発信テーマが決められない時に見るべきものとして、お客様の状況を先読みする3つの視点をお伝えしました。
1つ目は、これから増えそうなお客様の悩みに先回りすること。時期や仕事の流れが変わると、お客様の悩みや不安も変わります。2つ目は、時期や世の中の変化から、お客様の感情を読むこと。お客様がまだ言葉にしていない不安を先に見て、専門家として必要な言葉を手渡すことが大切です。3つ目は、自分の経験、資料、判断基準を、お客様の今に重ねること。
これまで積み重ねてきた経験や資料は、お客様の状況に合わせて見直すことで、発信テーマとして活かしやすくなります。
発信テーマは、自分の中だけを見て決めるものではありません。時期は変わり、世の中は動き、業界の流れも変わり、お客様の状況も変わっていきます。だからこそ、お客様が今何を求めているのか。これから何に不安を感じそうなのか。どんな情報があれば、安心して次に進めるのか。そこに先回りできた時、専門家としての経験や言葉は、必要な方へ届く発信テーマになります。
専門家のための発信テーマ整理ナビ
今回の記事をご覧になって、「今のお客様には、どんなテーマが役に立つだろう「この時期だからこそ、何を伝えると安心していただけるだろう」「これまでの資料や経験を、どの発信テーマに活かせるだろう」と感じた方へ向けて、専門家のための発信テーマ整理ナビをご用意しています。
このナビでは、お客様との会話、よく聞かれる質問、過去の資料だけでなく、今のお客様を取り巻く状況や、これから増えそうな不安も整理しながら、今届けると役に立ちやすい発信テーマの種を見つけていただけます。まずは、ご自身のお客様が今どんな状況にいるのかを、小さく確認するところから始めてみてください。
また、発信や情報整理、AI活用をこれから整えていきたい方へ向けて、発信・情報整理とAI活用のはじめ方ガイドもご用意しています。詳しくは、以下のリンクからご覧くださいませ。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。KUMATAN HOUSEの伊東祐希でした。
P.S.
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